6月10日の決算委員会で採決の前に反対討論を行いました。復興予算での執行率の低さなどの問題点を指摘しました。
<議事録>
日本維新の会・希望の党の石井苗子です。
私は、会派を代表して、平成二十九年度一般会計歳入歳出決算の是認に反対、平成二十九年度特別会計歳入歳出決算の是認に反対、平成二十九年度国税収納金整理資金受払計算書の是認に反対、平成二十九年度政府関係機関決算書の是認に反対、平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書の是認に反対、平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対の立場から討論いたします。
なお、警告決議案、措置要求決議案、検査要請案には賛成をしております。
平成二十九年度決算は、一般会計の歳出規模で九十八兆一千百五十六億円に上り、過去六番目に多い歳出額となっております。公債依存度は三四・二%で、平成二十八年度から四・八ポイント下落したものの、依然として高い水準で推移しており、予断を許さない状況です。
政府は、国と地方を合わせたプライマリーバランスの二〇二〇年度黒字化目標を既に先送りしておりますが、より一層の無駄の削減、めり張りの利いた効果的な予算配分、身を切る改革によって、少子高齢化が進行する中で持続可能な財政運営を目指さなければならないと考えます。
決算審議の中で、平成二十九年度復興関連予算の執行率が六六・一%と極めて低い水準に止まっていることに関して議論がありました。復興庁は、公共事業は地元との協議が難航し年度内に事業の執行ができなかったことが原因であるが、翌年への繰越しが二二・二%で、次年度以降の執行見込みを入れる計算をすると執行率が八八・三%になると説明をしております。しかし、本当に必要のある事業に予算を付けているのか、あるいは執行見込みを適正に判断していたのかについては明確な説明がなされませんでした。
被災地で住民の生活に必要なインフラ整備が進んでいない状況や風評被害などで復興の遅れている業種が多い現状を見ると、被災地に必要な事業を住民目線で見極めていないのではないかと言わざるを得ません。
また、北海道、北関東両防衛局が管理する防衛施設周辺の地域が、地方防衛局長の使用許可を受けることなく近隣住民等により無断で駐車場、家庭菜園などとして使用されていた件についても、会計検査院から指摘がありました。防衛省に国有財産を有効活用する意識が欠如していたことが明らかとなりましたが、加えて、基地の安全に対する危機意識も低いことが明らかとなりました。
近年、防衛施設近隣の土地が外国人に買収され、我が国の安全保障上憂慮すべき事態が生じておりますが、ここについてどのような調査がなされているかに関しては、防衛施設に隣接する土地のみの登記簿を調査しているが結果として問題はなかったという御報告でした。
防衛省は、基地の活動に支障が出なければ調査さえしないという方針のようですが、知らず知らずのうちに機密情報が収集されているかもしれないという危機意識をもっと切実に持ってほしいと思っております。
本日の年金制度の問題の議論でもそうでしたが、今後の決算審議においては、当初の目的や効果を達成できたかどうかという視点で冷静に議論するべきだと思われます。と同時に、より少ない予算で同一の成果が上げられなかったか、あるいは同一の予算でより大きな成果が得られなかったのかという視点からも審議されるべきであり、エビデンス、つまり証拠とデータを基に検証していくべきだと思っております。
決算重視の参議院として、より費用対効果の高い財政運営を目指して我々は真摯に議論を行うことを国民の皆様にお約束して、反対討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。