特別養子縁組について質問(1日目)ー法務委員会ー

6月4日の法務委員会では、特別養子縁組に関する民法改正案について質問しました。特別養子縁組の上限年齢を引き上げる改正ですが、子どもの利益を中心に据えた改正になっているかが重要です。

<議事録>

○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。
まず最初に、私たちの政党はこの法案に関してかなりの疑問を持っておりまして、私は、厚生労働委員会にいたときに、この特別養子縁組のことについてかなり積極的な意見を持っておりました。なので、どうしてなのかなと思っていたんですけれども、これまでの質疑の内容を聞いておりますと、何となくそうかなという、この法律、まだちょっと早いんじゃないかなというふうに気持ちが変わってきておりまして、先ほど、三十年ぶりの見直し、これ三十年間考えなかったということなのかなという気もしております、考えなかったということは放っておいたのかなと。
じゃ、どうして今頃ということになりますと、二つ要因があって、施設の子供が四万五千人と、で、虐待が増えていると、これ何とかしなければならないと思って腰を上げたという。そうすると、もう少し限定して、施設に関してはこれは速やかに対処しなければならないが、そのほかのことに関してはもうちょっと丁寧に法律を作った方がいいんではないかと、このように今までの質疑を聞いていると思うんですね。
つまり、どういうことかというと、日本は単独親権ですよね、今。単独親権の中で、子供中心の制度づくりに今の改正が、民法の改正がなっているかどうかと。ここをもう少し、あさってもございますので議論させていただきたいんですが、細かいところになると、先ほど、データが全然そろっていない、整理されている状態じゃないというのもございましたし、単純な引き算をすればそれが数字になるかというとそうでもないということですので、整っていないなという感想を持っております。
そこで、まず法務大臣にお伺いいたしますけれども、この養護施設、児童養護施設というんですけれども、入所中の児童等に家庭的な養育環境を提供するということが今回の根本的な改正の目的だと理解しておりますが、虐待をされていた児童の養育を養親に委ねることということに関して不安はないでしょうか。御所見をお伺いします、法務大臣。
○国務大臣(山下貴司君) 今回の特別養子制度の対象となる子供には様々な子供がおるわけでございまして、その中には虐待を受けた経験を有する子供も含まれるであろうと考えております。こうした虐待を受けた経験を有するお子さんを養親が養育することには相当の困難が伴うものと我々も考えているところでございます。
そういったところを踏まえて養親となろうとする者が、そういった状況にある子供を適切に養育することができるかどうかについては、家庭裁判所において試験養育の結果等を踏まえ判断することになるものと考えております。
また、そのような子供の養親となろうとする者又は養親となった者に対しては、養子縁組成立の前後を通じて児童相談所等において必要な情報を提供し、これらの者からの相談等に応じて助言をするなど、これらの者に寄り添った支援をしていくということが重要であるものと認識しておりまして、法務省としても、関係省庁と連携して、この制度の円滑な運用に努めてまいりたいと考えております。
○石井苗子君 そうですね、連携しないとどうも、先ほどの小川先生の話ですと、連携しないと、どこの省庁、あっ、失礼しました、櫻井先生ですね、どこの省庁がどこまでフォローアップをしてくれるのかということになりますと、指針は厚労なんだけれども、都道府県であり、又は民間のあっせんが許可をもらってそこがフォローアップするというような感じであります。つまり、六か月間の試験養育期間を設けていくが、うまくいかなかったら却下するというような法律の立て付けになっていると、果たしてその子供を中心とした制度づくりになっているかなという疑問を感じております。
現在、児童相談所を通して養親になる場合ですけれども、これ、研修と調査を行うということになっております。どのような研修と調査でしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
児童相談所を通じて養親となることを希望する方につきましては、基本的に養子縁組里親として都道府県の名簿に登録いただくことが必要でございます。この養子縁組里親につきましては、全国的な水準により養育の質を確保をするため、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、所定の研修の修了が義務付けられたところでございます。
この研修の具体的な内容は、里親の名簿への登録を行う都道府県において定めているところではございますけれども、厚生労働省といたしましては大臣告示で研修の内容を一定お示しをしているところでございまして、具体的には、児童福祉論や発達心理学などの講義の実施に加えまして、養育の演習、実習の実施、こういったことを盛り込んでいただくということを示しているところでございまして、研修内容の質の担保を図っているところでございます。
また、里親として適切でない者への里親委託を防ぐという観点から、児童福祉法におきまして里親の欠格事由が定められております。具体的には、児童福祉法ですとか児童買春、児童ポルノ禁止法などの規定により処罰、罰金の刑に処せられるなどした者ですとか、児童虐待など児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者、こういった者については里親となることができないというふうに規定をしてございます。
また、児童相談所では、里親希望者がこの欠格事由に該当しないことを確認をするとともに、児童福祉司等を里親希望者の家庭へ派遣をいたしまして、その適否について十分な調査を行うということにしておりまして、こうした取組を通じまして養親の養育の質の確保を図っているところでございます。
○石井苗子君 派遣して調査をしていただくわけですね。分かりました。
質問の内容をちょっと変えます。
法務大臣にお伺いしますが、どうも分からないのは、上限年齢が十五歳ということになったんですけれども、この合理性についてお伺いしたいのと、それから、上限年齢を十五歳とすることに対してどのような反対意見というのが出ていましたでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 養子となる者の年齢の上限を原則として十五歳未満としたのは、これは、民法上、十五歳に達すると自らの意思で普通養子縁組をすることができるとされていることから、十五歳に達している者について、家庭裁判所の審判によって縁組を成立させることは原則として適当でないというふうに考えられたところでございます。
これに加えて、子供の利益の観点からは、できるだけ早期に特別養子縁組を成立させることが望ましいと考えられるということ、また、特別養子縁組が未成年者の養育のための制度であることからすれば、特別養子縁組の成立後に一定の養育期間が確保されるようにする必要があるといった事情も考慮しているところでございます。
どのような反対意見があったのかというところについては、ちょっと民事局長から答弁させたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。
その反対意見の状況でございますが、法制審議会の特別養子制度部会におきましては、この上限年齢につきましては、原則として八歳未満とする案、十三歳未満とする案、そして十五歳未満とする案の三案を中心に検討がされました。
この十五歳未満とする案は最も上限年齢を引き上げる案でございますけれども、これに対しましては、子供の地位の早期安定という利益を害するのではないか、あるいは、上限年齢を大幅に引き上げると、実親子関係の終了という効果が生ずるかどうかが養子となる者の意思に大きく左右されることとなって、養子となる者に過酷な決断を迫ることになるおそれがあるのではないかといった指摘がされて、より低い上限年齢とする案を支持する意見があったものでございます。
○石井苗子君 私は、八歳、十三歳、十五歳の違いというのがちょっとよく分からないんですけれども、養子になる方ですが、児童ですが、十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されているということですよね。その場合に、十五歳に達するまでに養子縁組の成立の申立てがされなかったことについて、ここに、やむを得ない事由があるときは十五歳以上であっても養子となることができると書いてあるんですけれども、このやむを得ない事由というのを解説していただけますか。法務大臣でも結構です。
○国務大臣(山下貴司君) 御指摘の民法第八百十七条の五第二項に言うやむを得ない事由に当たるかどうかというのは、これは最終的には裁判所の判断に委ねられることになりますが、考えられる例としては、例えば養親となる者が養子となる者の養育を開始してからそれほど間がなくて、十分な熟慮期間がないうちに養子となる者が十五歳に達した場合などがこれに当たり得るものと考えております。
○石井苗子君 様々質問があるんですけれども、時間が来ましたので終了させていただきます。この十五歳に達しているときの子供の同意ということがとても大事だと思うんですけれども、次回に回させていただきます。
ありがとうございました。